水道の民営化について
水道の民営化が始まっているのを知っていますか?民営化に関する法案が可決されたときは、一時的に世間を騒がせましたが、いろいろな情報に埋もれてしまい知らない人もいるのではないでしょうか。この記事では、水道の民営化についてまとめました。しっかりチェックしましょう。
そもそも水道民営化とは?
2018年12月に水道法の改正が可決され、民営化が進みました。水道の民営化に至った背景には、弱っている水道基盤の強化が考えられています。民営化されると、国が管理していた水道を民間企業が管理するようになります。
とはいえ、すべてを民間企業が管理するわけではありません。民営化にあたっては、水道施設の所有権は移さず水道事業の運営のみを民間企業に移すコンセッション方式を導入しています。企業が管理するため、自由度の高い運営方法の実現と利用者が求める質の高いサービスが提供されるのを期待できます。
水道民営化が試行されることになった理由
これまで、水道は自治体で管理されていたため、地域によって設備内容や使用料金も異なり、我々は住居したところのルールに従って水道を利用してきました。
しかし、以下の問題が浮き彫りになり、水道の民営化が検討されるようになりました。
■水道施設の老朽化
現在、我々が使用している水道施設は、高度経済成長期を中心に整備されたものがほとんどです。そのため、老朽化が進んでいます。また、50年ほど経った今も水道施設の更新は進まず、今後ますます劣化が懸念されているのが現実です。
■耐震性の不安
日本の水道施設は耐震性に優れているところが少ないです。耐震性強化に励んでいる自治体もあるものの、全国的に普及していないのが現状といえます。日本は地震が頻繁に起きる国として有名です。
もし、大規模な地震が起きてしまったら、多くの地域で断水になってしまう恐れがあります。また、老朽化が進んでいるのも相まって、長期間断水を余儀なくされる可能性も高いでしょう。
■地方の人口減少
地域によっては、人口減少により水道事業の経営基盤や運営に悩まされているところもあります。人口が少ないと水道事業を運営する人材確保ができず、資金も足りなくなってしまう恐れがあるでしょう。そのため、これまで通りのサービスを提供するのが難しく、悩んでいる地域もあります。
水道民営化によるメリット
水道の民営化に不安を感じる人もいるでしょう。しかし、民営化ならではのメリットもあります。早速、ひとつずつ見ていきましょう。
■料金が安くなる可能性がある
水道が民営化されると、企業同士が競争し市場が盛んになるのが期待できます。キャンペーンや特典サービスを提供する企業もあるかもしれません。効率的に運営できれば、以前より利用料金が安くなる可能性が高いです。
■充実したサービス内容が期待できる
運営がうまくいけば、充実したサービス内容が期待できるのも民営化のメリットです。水道事業に限らず、電気やガスなどすでに民営化されている企業とタイアップしたサービスも登場する可能性も考えられます。
■選択肢が増える
利用者の選択肢が増えるのも大きな魅力です。これまで、我々は住居する地域のルールに沿って水道を利用してきましたが、民営化されると利用者が自由に企業を選べます。サービス内容や料金などを比較し、自分の生活にあった企業を選べるのは民営化のメリットといえるでしょう。
水道民営化で問題視されているのはどのような点?
実際に、海外では水道が民営化されたために、料金が非常に高くなってしまったり、暴動が起きたりしてしまった例があります。日本でも、民間企業が水道事業を管理するのを問題視する人は多いです。最後に、民営化の問題点を確認しましょう。
■料金が高くなる恐れがある
民営化によって料金が安くなる可能性がある一方で、経営がうまくいかなければ料金が高くなってしまう恐れもあります。利益をあげなければ、企業の経営は成り立ちません。すると、水道料金にしわ寄せがくるのが予想されます。利用する企業によっては、料金が高くなってしまう恐れがあるのは、民営化の問題点です。
■経営破綻する可能性もある
採算がとれなければ経営破綻もあり得るでしょう。すると、料金を支払っていても突然水道が使えなくなってしまう恐れもあります。自治体と異なり、経営破綻の恐れがあるのは民営化のデメリットです。
■悪徳業者に騙されてしまうかもしれない
水道の民営化に乗り出す企業すべてが善良とは限りません。中には、悪徳な業者もいるでしょう。悪徳業者が水道事業の運営をするとなると、管理が行き届かず水質が悪くなる恐れや相場とかけ離れた水道料金を提示される恐れもあります。善良な企業を見抜く力を求められるのも、民営化の問題点の一つです。
水道民営化は、施設の老朽化や耐震面の不安を理由に試行されました。自治体が管理していた水道事業を民間企業が行うのに不安を感じる人も多いでしょう。事実、海外では民営化が失敗に終わった例がいくつかあります。
しかし、水道民営化は問題点がある一方、メリットもあります。今回紹介したメリットとデメリットを参考に、最適なサービスを提供している企業を見つけましょう。民営化で注意すべき点は、業者選びにあります。悪徳な業者に騙されないよう充分注意しましょう。